ご担当者様のお悩み・解決方法
社員食堂の柱の塗装が経年で剥がれてきた。見た目も悪いしポロポロと落ちてきて掃除の手間もかかる。塗装で明るい雰囲気の食堂にしたい。
こういったご相談を受け、経年でボロボロになってしまった既存塗膜の除去(下地作り)の後、部分的に明るいカラーを取り入れた塗装のご提案をいたしました。
施工工程
一番大切な下処理…ケレンとパテ
塗膜をはがす作業はどうしてもゴミが舞ってしまうので、食堂という場所もあり、養生は慎重にキッチリと丁寧に行います。旧塗膜をカワスキやヤスリなどで除去します(ケレンという作業です)。サンダーという電動工具を使用することも多いのですが、今回はゴミが舞うリスクを考え全て手作業で行いました。除去した後にパテを盛り付けて凹凸をなくします。
下塗り
下塗りは素地と上塗り塗料の密着力を高める「接着剤」のような役目を果たすのですが、実はそれだけではなく、下地の色を透けにくくするという大切な役目があります。ですので下塗り塗料をケチって薄く塗ってしまうとひどい出来上がりになります。むらなくメーカー規定の膜厚を守って塗布することで塗膜の長持ちにも繋がります。
上塗り
ベージュを基本に、アクセントカラーを取り入れて明るい食堂に様変わりしました。が、柱の下部…黒い巾木部分がどうも気になります。
巾木の塗装は出来ないって本当?
よくオフィスなどで見かける薄い巾木は「ソフト巾木」や「ビニル巾木」という名前で販売されているのですが、素材自体は軟質塩ビです。このソフト巾木・ビニル巾木はカラーが豊富ではなく…The オフィスといった感じのブラウン・グレー・ホワイト・ブラック位しかカラー展開がありません。
今回はアクセントカラーと同じカラーリングにしたかったので、この機会にソフト巾木・ビニル巾木塗装する方法を実験しました。
結果は…ソフト巾木・ビニル巾木に塗装は出来ます!
ただし、塗装方法と下塗り材を選定する必要があります。
画像左:職人の間でなんでも塗れると評判の下塗り塗料は弾かれてしまい密着しません。
画像右:試行錯誤のうえ、(マル秘)下塗りが密着するようになりました。
塗って用意しておいた巾木の設置
ご担当者様と相談のうえで、今回は既存巾木に増し貼りで施工することとなりました。既存巾木の汚れを拭き取った後に接着剤を塗布し、作業場であらかじめ塗っておいた巾木を貼り付けます。
巾木のつなぎ目や上部には同系色のボンドコークを打ち込み、タッチアップして完成です。
工事を終えて…
今回の工事は食堂という場所柄工夫しなければならないことが多くありましたが、性分に合っていてすごく楽しく施工をすることができ、その結果とても元気の出る明るい食堂に生まれ変わらせることができました。
ご担当者様にもお喜びいただくことができて僕も大変嬉しく思います!この度は誠にありがとうございました。
余談
こういった直線は職人によっては多少曲がっていても良しとしてしまう人がいるのですが、私はきっちりやりたい性分なので…こだわりが強く出てしまいました。まっすぐきれいな直線で美しい塗装ができたと思います。